タイトル | ダウン・ザ・ワールド |
ハード | SFC |
発売日 | 1994/9/30 |
定価 | \9800 |
ジャンル | RPG |
メーカー | アスキー |
シナリオ |
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様々な世界を渡りあるき、妖術の賢者メルヴィルの毒牙から すべての世界の創造主である命のつぼみの国のサーラ姫を救い出そう! なんていう、わりかしオーソドックスなストーリーラインのRPG。 ちなみにサーラ姫を救うために各地に旅立った派遣騎士連中は ゲーム開始時点で操作キャラとなる"青い涙の騎士 ガオ"を残して既に音信不通。 サーラ姫を救うため頼りない涙の騎士を無事、命のつぼみの国まで導こうというお話。 ここでプレイヤーキャラクターと言わず操作キャラなんて回りくどい言い方をしたのは このゲームの特徴の1つである、プレイヤーは現実世界からガオ達を見ている 勇者と言う名の傍観者であるという独特の設定付けの為。 とは言っても頼りないガオ君、事あるごとに勇者であるプレイヤー自身に事の是非を問うてくる。 〜するけどいい? って知ってる? みたいな選択肢を事ある毎に上を見上げて聞いてくる。 しかも進めるためには選ぶ方は決まっている。いわゆるドラクエ的な一択肢。 このプレイヤー=not登場人物設定必要だったかなぁ… 面白いとは思うけど、ちょっと展開が回りくどくなってしまっているので 素直にガオ=プレイヤーで感情移入させる作りにしたほうが個人的には好きだった。 まぁそんな頼りないガオ君が、命のつぼみの国を目指す過程で様々な世界を渡り歩き いろいろな人と触れ合い、さまざまな事件を解決することで人間として成長していく面もある… のだが、この子最後までプレイヤーに同意をもとめて首を傾げてくるのでどうも成長している感が皆無。 どこまでも頼りない涙の騎士の子守をしながら命の国を目指すサクセス・ストーリーが今始まる! | |
システム |
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RPGに限らず、ゲームを作らせると当時のメジャーなひな形から外してくる事に定評のあったアスキーさん この作品も例にもれずオーソドックスのRPGのシステムから逸脱した特徴をいくつかお持ちである。 まずゲームを起動して最初に遭遇する特異点は、SFC初のヴォーカル入り主題歌の挿入。(ToPよりこっちが先) 当時のSFCに無理やりつめこまれた主題歌としては、割といい曲だと思う。私は好きだよ! 2つめは同メーカーのRPG、エルファリアでも使用したRPGにありがちなプレイヤーの"作業"を減らす試み。 一度いった場所なら目的地指定で自動で移動してくれるし、戦闘なんか大まかな指示を設定するだけでキャラクターが勝手に戦ってくれる。 RPGでプレイヤーがストレスを感じがちな部分の操作を無くしたつもりらしいが 当時のRPGから『移動』『戦闘』を大幅に削ったら何が残ろうか…、そうこのゲームプレイ時間の半分以上は"見てるだけ"である しかも大雑把な指示しか出せずAIがアホな上に、敵はマップ上をぐるぐる逃げまわったりするので1戦闘が割と長い。 結果として自動移動させて、自動でエンカウントして、自動で戦ってるくれるのでゲームをしながら本を読む等のながら作業になりがち。 ゲームの内容がストレートに頭にはいってこず、ゲームの世界に入り込み辛い。前述したプレイヤーキャラ=画面の外の人である事も移入しにくさに拍車をかけている プレイヤーの作業感を減らすのが目的のはずのこれらのシステムもとことん詰めていれば目玉になりえたのだろうが なんかどのシステムもどこまでも中途半端感が否めない。 例えば、目的地指定で勝手に歩いてくれる移動システムが搭載されているものの、ダンジョンからの脱出や街間の移動の呪文は存在せず 場所によっては結構な距離を何度も往復することになる。これではいくら自動といってもめんどくさい"作業"である事には変わりがない。 その往復作業が、基本的には場所を指定して"見ているだけ"なのだから、これではゲームをしているのかどうかも怪しい。 結局、いままでのRPGのわずわしさを無くす為の自動移動システムや、自動戦闘システムも"逃げるコマンドが存在しないランダムエンカウント" のせいで数歩歩いては遭遇する雑魚戦を延々と見てる時間がメインになっただけで、わずらわしさとやらは解消されていないのではなかろうか。 これなら、ある程度のレベル差がつくと ワンボタンで戦闘そのものをカットできるようになる「はなまる大幼稚園児」のがストレスフリーで素敵。 あ、あと延々と自動戦闘みせつけられるなら戦闘速度自体をいじりたかった。 おそい ふつう はやいの3段階ぐらいでいいので戦闘2倍速モードがあれば評価はまたかわってきたのではなかろうか。 5年を掛けて構想を練られたと売りのシナリオも良くも悪くも普通。 最大4人のキャラが入れ替わり立ち代りするのだが、女性キャラは1人もおらず操作キャラ全員むさいおっさんなのでそっち方面に期待されてる方は残念。 実はシナリオ自体はそれほど酷評するほどでもなく掘り下げられそうな伏線が各所にちりばめられているのだが すべて中途半端な回収や、そもそも1回ちらっと出ただけで使われてない設定が多く勿体無い感じがする。 おそらくこの時期のRPGなので納期や容量の関係で削ったのだと思いたいが、とりあえず勿体無い。 特に最後の方は詰め込みすぎてわけがわからないことになっている。 (例)せっかく外の世界では1000年経っている的なうらしま設定を持ってきたのに結局最後まで外の世界との関わりに一切触れることがなかったり。 ただエンディングまでのシナリオの締めは次回作を想起させる作りなので二次創作はしやすいかも。 | |
評点(各3点満点) |
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シナリオ | 2 |
戦闘システム | 1 |
その他システム | 2 |
音楽 | 3 |
キャラ愛着 | 2 |
総評 | 独特のシステムで評価を得ようとしたものの、失敗した感が漂う。 BGMは同時期のゲームと比べると頭ひとつぬけて秀逸。素敵な音が多いのでこれを聞くだけでもプレイする価値あり。 |